プロジェクトに関わってくださったあなたへ ー プロジェクト・クローズのご報告
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こんにちは、# The Beauty I see in You(あなたの美しいところ)プロジェクト発起人のミヨシダイスケです。
今回は 2020 年から始まったこのプロジェクトの、クローズのご報告をしたくてこのテキストを書いています。
この内容は、本プロジェクトの支援者(クラウドファンディング)の皆さんにはひと足先にご報告をしていたものと同じ内容です。今回は支援者以外にも本を受け渡しする形で関わってくださった方や、このプロジェクトのことを応援してくださっているあなたに向けて、クローズの決断にいたる経緯と今後の方針についてお伝えしたいと思います。ぜひ最後までお読みいただけたら嬉しいです。
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今回の決断にいたる経緯
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「大切なひとの、光も影も含めた、存在まるごとのうつくしさを祝福し合うこと」
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そんな機会をつくれたら、という想いから「大切なひとの “美しいところ” を書き込み、そのひとに手渡していく、聖火リレーのような本」をつくりたいと思い立ち、プロジェクトがスタートしてから早5年が経ちました。
この5年間で旅立った本たちの数は英語版も含めれば合計80冊以上。支援者限定のメールレターでは年1回の頻度でお伝えしていましたが、このプロジェクトを通してこれまで本当に様々な物語が生まれてきました。
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久しく会っていなかった友人に、この本をきっかけに感謝のメッセージを贈って再会した女性。
卒業式という節目に、旅立つ生徒たちへこの本を手渡し、感謝と激励を贈った校長先生。
自分の死期を覚悟したタイミングでこの本を受けとり、大切な奥さんに向けて初めてメッセージを書き贈り、この世を旅立った男性。
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本を受け取ってくれたお一人お一人が、僕が想像していた以上に、このプロジェクトを人生の大切な機会に重ねてくださいました。
そうした物語一つ一つに触れるたびに何度も胸が熱くなり、勇気を出してこのプロジェクトを始めて本当によかったと思えたし、その気持ちは今も変わりません。
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かたや、このプロジェクトをスタートする当初から、ずっと懸念していたことがありました。
それが、この本を受け取ったひとに「次のひとに本を渡すことの心理的負担」を感じさせてしまうのではないか、という懸念でした。
そのため、そうした方がいらっしゃることも想定し、「次のひとへ本を渡すことが難しい場合には、事務局までご連絡ください」と本に記載をした上で、ご連絡いただいた際には事務局が送料負担で回収する対応をしてきました。実際にこの5年間では2名の方からご連絡をいただき、自分なりの誠意を込めて本の回収を行っています。
今後も対応としてはそれで十分とも言えそうですが、回収依頼をくださった2人の方とやり取りをしてみて、この懸念と改めて向き合い直す時間を昨年過ごしていました。
自分の大切なひとに、日頃の想いを改めて伝える行為は、もちろん易しくはありません。それ自体に大きな心理的負担を感じる方も今後いらっしゃるでしょう。またプロジェクトの設計上、受け取った人は別の人に本を渡していくことが促されている以上、その心理的負担も一緒に渡してしまう可能性を切実な不安として感じるひともいることが分かりました。
これらを受け止めて、やはり僕の気持ちとしては「この本を受け取ることで大きな心理的負担を感じるひと」がこれから一人でも生まれてしまうと思うと、どうしても重たい気持ちになり、プロジェクト継続を悩んでいたのです。
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ご支援いただいた皆さんの気持ちや自分の元に届く感謝の声を味わいながら、ものすごく悩みましたが、今後受け取るひとへの配慮、5年間という時間の区切りの良さ、そして生まれた様々な物語を味わい直してみて、このタイミングでこのプロジェクトに一区切りをつける決断をしました。
総じて今、僕にあるのは「このプロジェクトは果たすべき役割を十分に果たした」という感覚です。
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僕自身としても、プロジェクト開始当初に想像していた展開とは、正直異なります。もっとたくさんの人たちの間をこの本が旅していく、その「人数」に期待していた自分もいました。しかし、今の時点でも十分に大切な体験が、プロジェクト参加者の皆さんに生まれていて、やはりその価値は「数」ではないなと思えたのが去年のことでした。そして、上記の気持ちを抱えた状態でプロジェクトを続けることの心理的な苦しさに向き合ったときに、いろんな意味で「区切り」をつけることが、他でもないプロジェクト発起人の自分の務めだとも思ったのです。
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経緯としてはまだまだ語り尽くせない想いもたくさんあるのですが、少しずつ消化しながら、またあなたにも聴いてもらえたら嬉しいです。
この5年間、あたたかく見守ってくださり、本当にありがとうございました。
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今後の方針について
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このプロジェクトの今後の動きとしては、以下のようなことを考えています。
① 本のPDF化と展示会について
② 本の回収について
③ 余った予算について
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① 本のPDF化と展示会について
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まず、クラウドファンディングの支援内容に合わせたリターンとしてお約束していた「本の PDF 化」と、リターンとは別に開催を企画していた「展示会」についてです。
これまで自分のもとに届いたプロジェクト参加者の声や、実際に書き込んだメッセージをお聞きしてきた末に、やはり本に書き込まれた内容は一般公開はせず、それぞれの胸のうちに留めておいていただくのがよい、と判断しました。
たとえば冒頭で、奥さんに宛てたメッセージを書き込み、この世を旅立たれた男性の方のエピソードをご紹介しました。こうした例を受け止めたとき、ご本人は一般公開を承諾の上で書き込んでいただいてはいますが、それでも僕自身の気持ちからすると、身内に留めていただいた方がそのメッセージの重みが風化せず、ご家族のなかで大切に引き継がれる気がしたのです。
こうした男性の例のみならず、他の方の物語もお聞きすると、僕がプロジェクト当初に想像していた以上に、人生の大切なシーンでこの本を活用していただき、大切な想いを本に書き込んでくださった方が少なくありませんでした。
そしてそもそもの僕のプロジェクト発案の発端の想いからすると、書き込んだメッセージを公開して他の方にも触れてもらう、というのはあくまで二次的な想いで、やはり起点の想いとしては「自分の大切なひとに、大切な想いを表現する」という機会の創出に他なりませんでした。
そうした背景からも、本の PDF 化、ならびに展覧会は実施せず、プロジェクト参加者に生まれた物語をその人たちの中で大切にしていただく、という選択をしたいと思います。
本に書き込まれていくメッセージの内容を楽しみにしていただいた支援者の方やプロジェクト参加者の皆さんには、ご期待に添えない結果になり、申し訳ありません。以上の経緯をご理解いただけると幸いです。
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* なお、当初のリターンのお約束としては、「2025年1月までに100人のリレーを終えて帰ってきた本があれば、PDF 化をしてお送りする」というものでした。本稿執筆時点でまだ100人のリレーを終えた本が 0 冊であり、後述する「回収する本」についても同様の決断をしました。
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② 本の回収について
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ここまでお伝えしてきた経緯から、現在旅をしている本について、今後回収の動きを行っていくことを決めました。
現状、日英版合わせて合計およそ80冊程度が旅立っている状態です。(海外に展開しようとしていた英語版の数冊が、協力者の元から結局旅立っていない可能性があり、正確な冊数を確認中です)
回収の方法としては、本を最初に贈った方に僕から連絡をとり、今回の回収の経緯をまとめた画像ファイルを、回覧板のように本を手渡した相手へと順に回していただき、現在の本の保有者にその画像ファイルを届けたいと思っています。そしてその方から事務局へご連絡をいただき、返送していただくという流れを想定しています。
なお回収にあたっての送料は、プロジェクト事務局で負担します。そのため皆さんに金額をご負担いただくことはありませんのでご安心ください。
まずは日本語の本から回収の動きを始めていこうと思います。「本の最初のお一人」となった方には僕から順次ご連絡をしていきますので、今しばらくお待ちください。
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※ このページをご覧になっているあなたが、現在本をお持ちの場合は、こちらのフォームよりご連絡いただけますと幸いです。本の回収のプロセスについて詳細をお返事させていただきます。
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③ 余った予算について
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上記の回収用の送料を除いて、展覧会の実施用などのために確保していた余った予算は、すべて非営利活動団体への寄付を行うことを検討しています。
具体的な支援先はまだ未定ですが、皆さんから託していただいた大切なお金は、僕から大切に社会に循環させていただきたいと思っています。
こちらも詳細が決定しましたらご報告します。
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最後に
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。正直、この決断をすること自体、僕にとってすごく勇気がいることでした。この報告の文章を書くのも、何度も筆が止まっては書けない状態が続いていました。
そんな中、実際の支援者の方々にお会いして、あるがままの葛藤の話を聴いてもらい、少しずつ気持ちの整理がついて、今この文章を書くに至っています。
過去の支援者向けレターでもお伝えしてきましたが、このプロジェクトを通して「人間あるがままのうつくしさ」と一番向き合わせてもらったのは、他でもない発起人の僕自身かもしれません。自分のなかにある醜いと思えるところ、影だと思えるところも含めて、まるごとのいのちのうつくしさとして愛することができるのか。このプロジェクトの始まりからクローズの決断に至るまで、ずっとこの問いと共に歩いてきた気がします。きっとこれからの人生でもそうでしょう。この歩みを続けることができているのは、ひとえに温かく見守ってくれているあなたの存在のおかげです。本当に、ありがとうございます。
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上記のもろもろの進捗がありましたら、またご報告をしたいと思います。
これからも引き続き、よろしくお願いいたします。
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# The Beauty I see in You(あなたの美しいところ)
プロジェクト発起人・ミヨシダイスケ
2026年1月24日